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3−3−2 CALSの進展

 

CALSの取り組みは、その効果が認識されるに伴い、アメリカ国防総省における文書管理の電子化から、製造業をはじめとするアメリカ産業界の競争力強化、さらにはヨーロッパ、日本を含むアジアと全世界的な取り組みへと発展してきた。

 

(1) ロジスティックスからライフサイクルへ

当初はアメリカ国防総省のロジスティックスを目的として始められたCALSであるが、その効果はそれ以上のものとしての意味を持つことが認識されるようになった。

アメリカ国防総省において、CALSは、コストの削減、品質の向上、開発や業務の迅速化、情報管理の飛躍的向上といった競争力の強化に結びつくと考えられるようになった。すなわち、情報の電子化によって補給、保守、訓練等のロジスティックスのみではなく、兵器そのものの開発まで含んだライフサイクル全体の効率化へと展開していった。兵器マニュアルの保管スペースの削減とともに迅速な検索を可能にするだけでなく、電子化された技術文書と図面などを関連させることによって、「兵器の開発・製造」過程にまで一大革命を起こす可能性があると考えられたからである。図3−2のように、国防総省の重点課題はCALSにより改善され、国防上の効果の増大が図られると考えられていた。

 

図3−2 CALSによるアメリカ国防総省の強化

044-1.gif (36707 バイト)

出典:NTTデータ経営研究所

 

 

 

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